初めての相手は無愛想上司


初めての感情に
頭も身体もついていかない

ここ数日、ずっとだから
もう思考回路がパンクしたんだろう



「桜庭」



小山課長の声が…
私の身体を更に暑くされた




『…っ、…暑い…んです』



よくわからない感情に
わからなくなっていた私が
ようやく言えた言葉


小山課長は一瞬目を見開いたように
見えたが、すぐ目を細めてくれた



男らしいゴツゴツした手が
私の頬に触れた



「言え」



全部受け止めてやる、



そう言った小山課長は
私のおでこにキスを落とした

外はもう明るくなり始めていて
スズメの鳴き声も聞こえる



『…私、…どうしたら…いいんです、か』


口に出せば
涙がポロポロ出てきて

ちゃんと伝わったか、わからない
頭のぐちゃぐちゃを
口に出すど、小山課長は
相槌を打って最後まで聞いてくれた

< 108 / 222 >

この作品をシェア

pagetop