初めての相手は無愛想上司


ここ数日、パソコンを開いてはいないが
この数ヶ月のやり取りを思い出す


部下が話していたという、お店
彼女ができたこと
彼女のアピールに押されたこと…



『アウディっ!!』


いきなり大きな声を出したもんだから
三人とも目を丸くして私を見ている

けど、私の視線は蔵田課長
目が合うと、蔵田課長はにっこり笑い
バレちゃった、とおどけ出した


もしかしたら近くにいるかもしれないと思っていた人が
毎日一緒に仕事をしている上司だったなんて、思いもよらなかった



『く、蔵田課長っ!!』


「ご、ご、ごめんね、桜庭さん!けど、僕は二人が幸せになってくれたらっと思って…、ごめん」


勢い余って睨みつけてしまったが
正直なところ、アウディの助言や
相談に乗ってくれたから、
小山課長と一緒にいることができる

< 121 / 222 >

この作品をシェア

pagetop