初めての相手は無愛想上司
『わあっ。綺麗!』
連れてこられたのは
マンションから少し離れた高台
そこから見える夜景
めったに見れない夜景に
私の心は子供のようにワクワクしていた
展望台になっているから
多分、スポットなんだろうか
けど、こんな素敵なところに連れてきてもらえたことが、とても嬉しい
フェンスに手を乗せ
くいるように眺めていた
「夜景、好きか?」
その声は
すぐ耳元で聞こえてくる
私を抱きしめるような形
小山課長の手もフェンスにあるが
私の肩に小山課長の…あ、あ、顎が…
誰もいない、とはいえ
恥ずかしい
『は、はい…なかなか見ないもので…』
妙に緊張はあるが
なんとか返事は出来た
小山課長は全く動こうとしない
恥ずかしい気持ちが
今にも沸騰しそう
湯気がでるんじゃないかと
夜景を見ている余裕なんて無い