初めての相手は無愛想上司


『わあっ。綺麗!』



連れてこられたのは
マンションから少し離れた高台
そこから見える夜景
めったに見れない夜景に
私の心は子供のようにワクワクしていた


展望台になっているから
多分、スポットなんだろうか

けど、こんな素敵なところに連れてきてもらえたことが、とても嬉しい


フェンスに手を乗せ
くいるように眺めていた



「夜景、好きか?」


その声は
すぐ耳元で聞こえてくる
私を抱きしめるような形
小山課長の手もフェンスにあるが
私の肩に小山課長の…あ、あ、顎が…



誰もいない、とはいえ
恥ずかしい


『は、はい…なかなか見ないもので…』


妙に緊張はあるが
なんとか返事は出来た

小山課長は全く動こうとしない
恥ずかしい気持ちが
今にも沸騰しそう
湯気がでるんじゃないかと
夜景を見ている余裕なんて無い
< 125 / 222 >

この作品をシェア

pagetop