初めての相手は無愛想上司
げっ…
何かに当たった、
それが何なのかを今知った
『…小山、課長』
ドアを開けたのは小山課長で
バランスを崩した私を支えてくれたのも
小山課長だ
「いい加減、離れろ」
その言葉に自分がいどういう状態なのか
改めて見ると、恥ずかしい限り
多分、小山課長がとっさに私を
助けてくれたのだろう
小山課長もバランスを崩した
転んでしまったのだろう…
小山課長の膝の上に…
スッポリハマっていて…
『ご、ご、ご、ごめんなさいっ』
慌てて立とうにも
ファイルが邪魔して上手く立ち上がれない
バタバタしていたら、一つため息が聞こえ私が持っていたファイルをヒョイと
持ち上げ、床に置いてくれた
「意外と要領悪い奴だな」
そして身軽になった私を立たせてくれた