初めての相手は無愛想上司


どこでスイッチが入ったかわからないが
こうなったら、どうしようも無い

泡だけはなんとか洗い流し手を拭いた
もう、と怒りながらも
顔を向けると唇にキスを落としてくれる

「遅い」


何が遅いんだよ、と言ってやりたい
洗い物もまだだし、お風呂も入っていない


『…お風呂、まだですよ?んっ、』


せめてお風呂に入りたかった、と
どうせ無理だろうと思うが伝えてみたら
風呂に入るぞ、と私を抱きかかえた


わあっ、え、え?えっ!?
私を抱きかかえたまま
小山課長は脱衣所へ入っていった


今日はお風呂のパターンか、と
前に嫌だと言ったら
怒られた子犬みたいにシュンとしてしまい、初めて見た小山課長に焦ってしまった

それからは嫌じゃ無いのに、嫌だというのは止めようと気をつけている
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