初めての相手は無愛想上司


名刺だけなら
明日には、頑張れる気がした
だから明日を迎えるために
一人ベットに入ったのに…

さっき、寝室で脱いだスーツから
甘い香水の匂いがした
私も小山課長も香水は付けない

もしかしたら、飲み会の場で
ついたのかもしれないが
あれだけハッキリわかるくらい
つけて帰るって事は至近距離だ


字は違えど
同姓同名な人、
そして香水の匂い

嫌なことが続けば
嫌な方へと考えてしまう

私は彼女の代わり?
私を抱く時に、いつも名前を呼んでくれているのは、彼女の事を思い出してた?




「次の休み、結婚式の打ち合わせに行けなくなった。小夜一人で行くか、日を改めるかにしてほしい」


『…仕事、ですか?』


「泊まりの出張だ」


前から決まっていたプランナーさんとの打ち合わせだ
けど仕事なら仕方がない

仕事なら……

< 177 / 222 >

この作品をシェア

pagetop