初めての相手は無愛想上司


結局、名刺のことも香水のことも
小山課長に聞けず
誰にも相談できなくて
沈んだまま時間は過ぎていく

そして、結婚式の打ち合わせに
いけないという…
私の気持ちは下がる一方だ


「ちっとも幸せそうじゃない」


久しぶりに陽子と食事
彼氏が飲み会で暇をしていたという
小山課長は残業で遅くなることを知っている陽子は私を誘い出した


『そう?マリッジブルーかな?』


そんなことないよ、なんて言えない
だから冗談で返すしか出来ない


「最近、忙しかったから小山課長にかまってもらえてないんじゃない?」


『そうかも…』


確かに帰りは遅い
小山課長じゃない開発の人が資料課にくることもあり、忙しいのはわかっていた


「あ、けどそれも金曜日までよ。週末は休みだから、たっぷり小山課長に可愛がってもらいなよ!」


よ…よう、こ
今、なんて…言ったの?
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