初めての相手は無愛想上司


楽しかったな、


最近、沈んだ毎日だったから
こういうのも悪くない

二人と別れ
私は一人駅へ向かっていた
今日は眠れそう
いつもより軽い足取りで歩いていた



えっ…、

駅に向かう人ごみの中
見間違うわけないと思い小走りになる

すみません、と
誰かと肩がぶつかり謝りながら
近づいていった



あっ…、嘘……。



出張だと言っていた彼の後姿
見間違いだと思いたかった
けど、今朝と同様
キャリーケースを引きながら歩いている

その隣には
楽しそうに笑う髪の長い女の人


出張は…嘘
蔵田課長も嘘を付いていたの?

頭がこんがらがる
どうしたらいいの?
わからない…わからない…


それからどうやって帰ったのか
あまり覚えていない
けど、これが夢であって欲しくて
帰るなり、眠りたくて
着替えもせずベットへ潜り込んだ
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