初めての相手は無愛想上司
「大学の時の友人だ。用があって会っていただけだ。やましいことはない」
自分は白だと言っている
けど、私の目を見てくれない
やましいことがあるからだ
『私に知られたらまずいんですよね』
こうなったら、と
ずっと抱えていたことを
勢いに任せてぶちまけてしまった
『昔、親密な関係だったんですよね?』
『私を抱いている時…私の名前を呼んでくれましたが、本当に私に向けた名前ですかっ?私じゃなく、あの人を思ってー』
バンっ、と叩かれた音
テーブルの上で拳を握りしめている小山課長は私を睨みつけてきた
「お前、それ本気で言ってんの?」
今までどんなことがあっても
起こることはなかった
ヤキモチを焼かれたり心配されたりしたけど、これほどまでに怒りを全面に出してきたのは初めてだ