初めての相手は無愛想上司


けど、伊藤には関係ないとかわし
私へと視線を向けてきた


けど昨日の今日で
小山課長と話す勇気なんてない
何も言わず、私は資料課の倉庫へと逃げ込んでしまった


けど、逃げられるわけじゃない
コツコツと追いかけてくる足音
奥へ奥へと行くが、足音は追いかけてくる



『お願いだから、来ないで…』



もう行き場がない
足を止めたが、
小山課長を見ることが出来ない



「小夜、数日だけ残業になる。遅くなるから戸締りをして休んでて。…土曜日、きちんと話すから、全部」

「昨日も言ったが、俺が心から必要としているのは、小夜…お前だけだ」


それだけは忘れるな、


それだけ言って、小山課長の足音は遠のいていき、聞こえなくなった
私はそのまま地べたに腰を下ろした
土曜日…、
その日に全てを知ることが出来る
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