初めての相手は無愛想上司


マンションを出た私たち
小山課長が連れてきたのは
ブライダルショップ


私達がお願いしているお店ではない
初めて知るお店に戸惑いを隠せない
小山課長に連れられ中へ入る
ウエディングドレスが飾られていて
少し前の私なら、喜んでいたと思う



「いらっしゃいませ、本日はどのようなものをお探しでしょうか?」


「いえ、櫻庭さんと約束をしています」


櫻庭、
その名前にギョッとする
まさか、あの人…なの?

テーブル席へ案内され
櫻庭さんを待つ
これから何が起こるかわからない
ただ、緊張が半端なく手汗が凄い


「小夜が知りたいのは、櫻庭沙夜のことと、出張の事。まずは一つだ」


その言葉と同時にコツコツと
ヒールの音が聞こえてきた


「小山くん、お待たせ」


現れた櫻庭沙夜さん
顔を見るのは初めてだ
スラッとしたスタイルに合った小さな顔
スーッと通った鼻に下唇が薄い唇
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