初めての相手は無愛想上司
「…で、逃げてきたんだ。ブッ…小山課長の股間に蹴りを…食らわせて…」
ぎゃははは、と
お腹を抱えて笑っている陽子
あの状況で逃げ場がなかった私
無理ですと、即効返事をした
「なぜだ」
『な、な、なぜって、わ、わ、私、小山課長のこと、し、知りませんし…』
「ならば、これから知ればいいことだ」
『な、何より…男性が、苦手で…』
「克服すればいい。俺と付き合え」
『か、か、か、簡単に言わないでください!それに付き合うって、好き同士が…』
好き同士が付き合うもの、そう言いたかったが言葉が続かない
少し下を向いたのが気に入らなかったのか、またグイッと顎を上に向けられた
「俺は桜庭が好きだ」
私の目を見て
ハッキリと言葉に出して言ってくる
今まで告白なんてされたことはない