初めての相手は無愛想上司


櫻庭沙夜さんとの事を疑った私は
大馬鹿野郎だ


「遅くなりましたが、私ジュエリープランナーをしております、櫻庭沙夜です」


差し出された名刺
それは小山課長のポケットに入っていた物と同じものだ


『ジュエリー…プランナー』


名前のの上の方に小さく書かれていた
そんな大事な部分を私は見落としていた


「黙っていて悪かった。色々、小夜が調べていたのは知っていた。気に入ったのがあれば、俺に言わず付箋をつけていたのも…。決めかねているみたいだったから、それなら小夜が気に入ったデザイン全てを生かした指輪を…一生の物にしようと決めたんだ。学生時代の友人から沙夜さんが指輪のデザイナーをやっているって聞いたことがあって、それで…」


小山課長の説明に、驚いた
まさかそんなことになっていたなんて…
沙夜さんが作ってくれた二つの指輪
世界で1組しかない結婚指輪だ
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