初めての相手は無愛想上司
沙夜さんに会っていたのは
デザインを決めるため
私にバレるかもしれないと
仕事中に会うわけにも行かず
仕事が終わった後に会ったのは数回
「ちなみに、沙夜さんは結婚して櫻庭になったんだ。さすがに俺も名刺を貰うまでは知らなかった」
小山課長は元カノじゃないかという疑惑も完全否定をした
それを聞いていた沙夜さんも笑いながら
ナイナイと手を左右に振った
「私ね〜、年下に興味ないの。年下って犬みたいじゃない？小山くんは文句一つ言わない人だったから、つい何でもお願いしてたのよね」
お願いじゃなく、命令ですと
嫌そうに言葉を挟む小山課長
どうやら沙夜さんは
嬢王様気質なんだ
飛んだ勘違いをしていた私
ようやく出た言葉は
ごめんなさい、だ
