初めての相手は無愛想上司
車に乗り込んだ私達
私の膝の上には私達が夫婦である証
二人の指輪が入っている紙袋
「本当はもっと後に渡したかったが、これ以上、小夜を悲しませるわけにはいかないからな」
そう言って私の頭に手をポンと叩く
ごめんなさい、それしか出ない
「小夜、迷惑だった?」
下ばかり見ていた私は
顔を上げて首を横に振った
『ち、ちがっ…私、最低なことを…』
嫌な態度をとって
小山課長を疑ってしまった
「いや、小夜を不安にさせた俺が悪い……さて、もう一つの疑惑も取り除かないといけないな」
もう一つとは、疑惑の出張だ
車を走らせた小山課長は
今日は泊まりになる、と告げてきた
着替えとか準備をしていないと伝えると
既に準備済みだと後部座席を指差す
見てみると、鞄が一つ置いてある
手に取り中を確認すると
小山課長の着替えはもちろん
私の下着までしっかり入ってた