初めての相手は無愛想上司


中へ入ると、直ぐに囲炉裏が見えた
玄関…というか土間だ
土間の壁には撒き積まれている
反対側には炊事場だ

もちろん蛇口は1つしかない
もしかしたらガスはないのかも
今の時代、こんな生活をしている人がいるなんて驚いてしまう


小山課長は慣れた感じで靴を脱ぎ
中へと入っていった
慌てて私も靴を脱ぐ


おばあさん、小山課長に続く
そうすると一つの部屋へ通された
真新しい畳の部屋
そこには仏壇が一つだけ


「小夜」


呼ばれた私は小山課長の隣へと移動する
仏壇には知らない人たちの写真が飾られていた


『あの…これって…』


誰なのかわからず戸惑っていると



「小夜のご先祖様だ」


ご先祖様?
どういうこと?


「小夜ちゃんのお母さんの方よ」


答えてくれたのは
家主のおばあさんだった
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