初めての相手は無愛想上司


囲炉裏がある部屋で
お茶を飲みながら、昔のお婆ちゃんの話をたくさん聞いた
そして小さい頃のお母さんの話も聞いた


気がつけば、辺りは暗くなっていた
てっきり、今日はここでお世話になると思っていたが、違うらしい
おばあさんにお礼を伝え
私たちはまた車に乗り込んだ



『小山課長、ありがとうございます!お婆ちゃんの実家に来れるなんて思ってもみませんでした!』


「嘘をついて、出張だなんて悪かった」



ありがとう、
本当に嬉しい
運転中だったけど、
小山課長の腕に手を置いた

ゆっくりと、路肩に車を停めてくれ
私に優しいキスをくれた
久しぶりのキス


恥ずかしさも、嬉しさもある
けどもう一度触れたい気持ちが増し
離れた唇に、私からまたキスをした
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