初めての相手は無愛想上司
チェックアウトをし帰ると思われたが
寄るところがあるという
私には関係ないものだろうと
勝手に決め込んでいた
家に帰ったら
結婚指輪をもう一度見よう
昨日はあまり見れなかったから
じっくり、ゆっくり見たい
そんな幸せな気持ちでいたら
車が駐車場へと入っていく
どこ?
外を見れば周りに建物はない
あるのは……お墓だ
見覚えがある
前に来た事がある
『…あ、お爺ちゃんのお墓だ』
まだ小さい時だ
お婆ちゃんが元気で
まだお父さんとお母さん
3人で暮らしていた頃に来た事がある
まさかお爺ちゃんのお墓に連れてきてもらえるなんて思わなく
昨日同様、嬉しくなる
お墓の入り口に小さな露天があった
そこでお線香と仏花を買う
どこにお墓があったかなんて覚えているわけない
けど、小山課長は迷いなく進んで行った