初めての相手は無愛想上司
「身体は痛くないか?」
『…はい、』
「もう少し寝てろ、それとも何か飲むか?」
『…いいえ』
説明してください、と言いたい
確かにあれはあなたの声だった
という事は、あなたに助けられたって事
それはわかる。
多分、ここはあなたの部屋
「何かあれば声をかけろ、俺はリビングにいる」
そう言って出ようとする
『…っ、小山課長』
振り向いた小山課長は
ワイシャツにスラックスと
いかにも今日仕事でしたっいう姿
日曜日なのに?と思うが
聞きたいのはそんな事ではない
『…何も、聞かないんですか?』
小山課長がどんな顔をしているか
どんな目で私を見ているかわからない
小山課長が近づいてきたのがわかる
けど、顔を上げれない
初めて…怖いと思った
けど、恐怖ではない