初めての相手は無愛想上司
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「光永の図面」
頭の上から声がした
顔を上げれば
1週間ぶりに見る顔だ
『お待ちください』
私は席を立ち、言われた図面棚へと向かう
好きだと言われても
俺の女だと言われても
結局、ここに用事が無ければ
関わりが無いのだ
『お待たせ致しました、社員証をーー』
私が言い終わる前にスーッと出された
バーコードを読み取り、社員証を返す
返却は1週間後、と言おうとしたら
ゴホンと咳払いをしている
……なんか、わざと臭い
小山課長を見ると
なんだか気まずそうにしている
伊藤さんは…トイレと言って席にいない
奥の机には蔵田課長がいる
チラリと蔵田課長に視線を送っている小山課長
「奥にいるから」と蔵田課長は
何故か資料庫へ行ってしまった
ちょ、ちょっと、と思いながら
蔵田課長を目で追っていると
おい、とぶっきらぼうな声が聞こえた