初めての相手は無愛想上司


…、

……、つ、辛い。




あの後、行きなさいと蔵田課長に背中を押され小山課長に掛けよっか…が

何も言わず小山課長は行ってしまい
私は慌てて追いかけ
一緒にエレベーターに乗り
ロビーを抜け駐車場へと歩いている



『あの、ごめんなさい』



エレベーターの中で謝ったが
全く振り向いてくれもしない
完全に怒らせたと肩を落としていたら



「早く来い」


自然に落ちていた視線
そんな言葉が来るなんて思っても見なく
無意識に小走りになった



あれ?
小山課長、笑った?
うそっ!?
今まで見たことがない顔に
なんだか嬉しくなった

嬉しい?
なんで?


…意味がわからない




…、
……、つ、辛い、



こんな短時間で
こうも気持ちの浮き沈みが激しいと
うまく呼吸ができない


エレベーターより狭い空間に
小山課長と二人っきり
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