初めての相手は無愛想上司


窓から外を眺めていると
やはりあのコンビニが見えた


コンビニを通り過ぎた
ってことは、私のアパートの反対側
駅の方なんだと理解した


この前は、いろんな事がありすぎて
どうやって帰ったのか
すっかり頭から抜けていた
だから近くだってことも忘れていた


小山課長の車は月極駐車場へ車を入れた
ここ?と隣接するマンション

何も言わず、小山課長はマンションへと入っていった



…私も、だよね?と思いながら
見失わないように急いだ

オートロック式の入り口で
待っていてくれた小山課長


『ありがとうございます』


安心は出来ない、と頭の隅に入れているが断るという選択が出来ない


肩がけの鞄をギュッと胸元で握りしめる
エレベーターが止まり、幾つかのドアを過ぎた所で足を止めた


ドアを開けるが小山課長は部屋に入ろうとしない
何故?と首をかしげると
入れ、と私に向けて言ってきた
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