初めての相手は無愛想上司
『す、す、好きだと…真剣に言って頂けているなら、つ、付き合えません。わ…私が好きじゃない、のに、そんなの…』
私が好きじゃない、
それが引っかかってしまう
また、「くだらん」と言われるかと思ったが、小山課長は納得してくれた
「お前の気持ちはよくわかった」
そう言ってくれて
ホッとしたのも一瞬で
「なら俺を好きになれ」
とんでもない言葉が飛んできた
その後、似たようなやり取りをし
保留にしてくれと願ったわけだ
だから、小山課長が忙しくなろうが
正直どうでもいいのだ
「あ、小山くん行っちゃった?」
『はい、忙しいようです』
蔵田課長はまた黒いファイルを2冊持ちながら私をチラッと見てきた
まさか、と思い伊藤さんを見れば
一瞬目が合ったが、すぐにパソコン画面へと向けられてしまった