初めての相手は無愛想上司
秘書課、
どうりで見たことないはずだ
秘書課は花形だし
綺麗な人たちの集まりだから
小山課長にはぴったりだ
そう思ったら、また目頭が熱くなる
涙なんて流したくない
濡れたタオルを目に押し当てた
「俺より10個も下、昔隣に住んでいた。妹的な存在。だから問題ない」
何が問題ないんだ、と言いたい
けど、そんな強気で言える私ではない
『…で、でも、…忘れ、られない…って』
そう聞こえた
彼女の可愛らしい声が…
「ああ、言っていたな。けどそれは俺じゃない」
…え?
押し当てていたタオルから
顔を離し小山課長を見た
ドクん…
ドクん…
合ってしまった目は
離すことができない
今まで恋かもしれないと
思っていた感情が変わってしまった