初めての相手は無愛想上司
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私の心臓…もつかな?
凄い音を立ててるよ?
どうしていいかわからず
ただ、されるがまま…
いやいや、そう意味じゃなくっ!
今、小山課長の腕の中にいる
だ、抱きしめられている
驚きもあり恥ずかしさもあって
どうしていいかわからず
けど、体が熱い
…熱すぎて…のぼせそう
「桜庭」
ただ名前を呼ばれただけで
眩暈がしそうだ
やっと両想い、
その言葉、反則だよ
嬉しそうに言って
更に私を抱きしめてくれた
せっかく止まった涙も
また溢れ出してしまった
「泣き虫」
『…泣き虫…じゃ、ありませ、ん』
今日は泣きっぱなしだ
こんな自分も初めてだ
小山課長には乱されっぱなし…
「俺の前だけだぞ」
わかっています、というつもりで
小山課長の背中へ腕を回した