初めての相手は無愛想上司
人を好きになるって偉大だ
こんなにも感情豊かになるんだ
ホッとしてしまう
そんな気持ちにさせてくれたのが
今、私の目の前にいる小山課長だ
「なんだ」
目が合えば、ぶっきら棒な言葉が飛んでくる
『い、いえっ!あ、あの、お口に合いませんか?もしかして、薄味過ぎましたか?』
暇を持て余した私は
勝手に冷蔵庫やパントリーを開けて
夕食を作ってしまった
体調が悪いのに、と
ブツブツ文句を言いながら
椅子についたわけです
もちろん、洗濯物のことも
しっかりお叱りを受けました
けど、それは
私の事を考えてのことだと思ったら
嫌では無かった
「そんなことはない」
これまた、ぶっきら棒な言葉
やっぱり口に合わなかったのかと
申し訳なく思う
無言のまま、黙々と食べ続けていく