初めての相手は無愛想上司
7
小山課長の唇が
私の唇にふれている
こ、こ、これって…キスだ
目を瞑ることすらできず
離れていく小山課長の唇は動いていた
「まあ、いいですよ。…はい、…あー、わかりました。では、明日」
…えっ?切った?
スマホが私の手の中に戻る
画面を見たがホーム画面
何を話したのか、
そして、なにが明日…なのか。
そもそも伊藤さんは
何か用事があったんじゃないかと
頭で考えるが、全くわからない
「今から、お前の家に行くぞ」
いきなり何を言い出すかと思い
目の前にいる小山課長を見る
『説明してください』
そういうと、後でだと
話してくれない
後で説明してくれるなら
いまは従うしかないのだろう
着替えた方がいいと思い
制服に手をかけたが
時間の無駄と言われてしまった