ひとりかくれんぼ~ここから始まった悪夢
「う、うん。でも足が。さっき捻ったのかな。」
「じゃあ、ハイ。」
そう言い、腰を低くする樹。
ん?これは一体、どういう意味でしょうか?
「え??」
「ほら、早く。」
こ、これは、おんぶ?
いや、恥ずかしいって!!
でも、なんかうれしい。
「い、いいの?あたし重いよ。」
「大丈夫。鍛えてっから。」
あたしはおそるおそる樹の背中に重心をかける。
すると樹は軽々と立ち上がり、歩きだした。
すごい。なんか、たくましいな。
やっぱり樹は「男の子」なんだと、改めて思った。
「あー、そういえば。」
「ん?どうしたの?」
「さっき言ってた、ひとりかくれんぼって。」
「あ。あれね、友達がやろうって言ってて。」
「そうなんだ。俺もやろっかな。」
「え!!」
ウソ!樹ってそういうの好きだったんだっけ??
「え!って。俺もなんか興味があるだけ。あと、女子だけじゃ危ないだろ。」
「あ、ありがとう。」
やっぱり、優しいな。
心の奥が、ポッと温かくなった。
「いつやるんだ???」
「まだ、決まってないよ。」