ひとりかくれんぼ~ここから始まった悪夢
「そういえば、‘‘ひとりかくれんぼ’’の事なんだけど。」
ちょうどお弁当を食べ終わったころ、杏奈が思い出したようにそう口にした。
「教えて!さっきは中途半端だったから。」
音葉がその話に食いついてきた。
「うん。あのね___」
ひとりかくれんぼとは、さっきあたしが言ったように一人でするかくれんぼの事。
別名、ひとり鬼ごっこ。
霊を呼び出して、ぬいぐるみに取りつかせるらしい。
それで、取りついた人形が動き隠れている人を探す、みたいな感じ。
ひとりかくれんぼは、呪術の儀式みたいなもの。
まず、手と足がある人形に名前を付けてその人形の綿をすべて抜き、その代わりに中にお米を入れる。
この時、お米はぬいぐるみの内臓を意味して、霊をおびき寄せる役割を果たすみたい。
そして、お米を入れた穴と同じとこに自分の爪を入れてその穴を赤い糸縫って、その糸をそのまま巻きつけて、何回か巻いたらくくって、水が入っているお風呂に人形を沈め、隠れる場所に、あらかじめ塩水を用意する。
「___こんな感じかな。ね!面白そうじゃない?」
「うん!面白そう!ねぇ!そのひとりかくれんぼ、やってみない?」
え!いまなんて言った?