星空の下で



もう泣いたはずなのに、また涙が出そうになった。



そのままLIMEを閉じて、家に帰ろうとしたとき。



「綾乃!!」



遠くから、あたしの名前を呼ぶ、愛しい声がした。



振り返らなくても、それが誰の声なのかすぐに分かってしまって。



その声に、またもやスマホを落としそうになった。



ゆっくりと声のした方を振り向いたと同時に、正面からフワリと抱きしめられた。



浩也………



「何やってんだよ!心配させてんじゃねーよ!!」



息を切らせながら、ギュッと強くあたしを抱きしめる、浩也。



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