嘘ツキナ、恋ヲスル
部室前で昂君を待ちながらなんて言うか考えた。
よく思い出せば、昂君と話したのなんて1回2回。しかも鳴海を通じてあいさつ程度。なのに何で好きになったんだろぉ?
恋は不思議なものだな。
なんて考えてたら…
ガチャ―
「何してんの?」
鳴海…。
「昂君待ってるの。お友達になってもらうの。なんか文句ある?」
すると鳴海が私の腕を引っ張って首元に顔を寄せた。
「ちょ…何!?」
「お前香水変えた?」
「は…変えた…けど…?」
「あ、そ。前のが良かったんぢゃね?ま、昂君好みかもな。」
「手、話してよ。」
"嫌味言うなら早く帰って"って言おうと思ったらいきなり部室のドアが空いた。
「あれ?鳴海、まだ居たの!」
昂君!!
「あ、いや。コイツが昂君に話あるって。」
昂君の視線が鳴海から私に移る。
ドキッ―
「あ!葉月チャン?何回か会った事あるよね。俺に話って何?」
「あ…あの。こんにちは。部活お疲れ様でした。えっと…」
鳴海がいるんだもん。恥ずかしい…。