嘘ツキナ、恋ヲスル
すると鳴海が私の頭をポンとたたいた。
ボソッっと耳元で呟いて振り返った。
「俺帰ります。昂君、コイツの事よろしく。ぢゃあな葉月。」
「…うん。バイバイ。」
「ぢゃぁなー鳴海。また明日。」
憧れの昂君と二人っきり。
"頑張れ"
鳴海があんな事言うなんて…。囁かれた耳元が熱い。
鳴海ありがと!頑張る!
鳴海が見えなくなるのを確認して昂君の方に向き直す。
ゴクリ。
深呼吸。
「あの!私、ずっと前から先輩に憧れてて…カッコイイなって。で、もし…良かったら…」
「葉月ちゃん。鳴海の事好き?」
「へ?」
私の言葉を遮る様に昂君がおかしな質問をしてきた。
「いえ…全然鳴海は友達ですけど…?」
「そっか…良かった。」
え?
「俺、葉月ちゃんの事可愛いなって思ってたからさ。良かったら俺と付き合わない?」
ぇええ?!