嘘ツキナ、恋ヲスル
………
真っ赤な顔の陽菜と雑誌を交互に見る。
「陽菜って…サッカー好きだっけ…?」
「…好きぢゃない…。」
「だよね…。」
沈黙。
「…大地がね…この前サッカー部のマネージャーに告られてたの。」
先に口を開いたのは陽菜。
「はづには言っちゃうね…私大地の事、中学の時からずっと好きなの…!」
衝撃だった。全然気が付かなかった。だって5人の間に恋なんて言葉は似合わない。そう思いこんでたんだもん。
「なんで大地に言わないの?」
真っ赤な顔が急に悲しそうになる。ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめる陽菜は、いつもよりさらに華奢で守ってあげたくなる感じだよ。
「だって…こんなに仲良しなのに、フラれたらもう一緒に居れない。」
「そっか…。」
「大地はずっと彼女とか興味なかったから安心してたのに。マネージャーへの返事保留にしてるんだって…!どうしよぉ〜!」
常に彼氏が居て、モテモテな陽菜が焦ってる。余裕がない…。
陽菜も苦しかったんだね。
私の、私達の日常が変わってゆく。
イイ方に?ワルイ方に?
それは誰にも分からない。