嘘ツキナ、恋ヲスル
大地が冷静に言葉を並べる。
「陸人の事は関係ない。俺、どうしても陽菜を友達としか思えない。」
「ぢゃあ…なんで付き合ってくれたの…?」
沈黙…
「断ったら、陽菜との関係が…俺ら5人の関係が壊れると思って。好きになろうとしたけど…ごめん。」
大地の辛そうな表情はコレが原因だったんだ。
「謝られたら余計みぢめぢゃん!大地のバカ!」
陽菜が今にも泣きそうな顔をする。
でも…
「なんてね。」
陽菜が飛びきりの笑顔を大地に向けた。
「本当に大地は陽菜の良さ分かってないサッカーばか。でもイイんだ。陽菜も大地は友達で居た方がいいなって思ってたから。」
陽菜はまた嘘をついた。
「りっ君もさ、友達で居よう?うちらみんな仲良し5人。ね?」
陽菜の笑顔で和んだその場の雰囲気と裏腹に、握り返された私の手が痛んだ。