嘘ツキナ、恋ヲスル
「…昂君…」
私何してるの?拒めたはずなのに。
「ごめんなさ…」
鳴海から勢いよく離れて昂君に視線をやる。
ん?
私とは視線が合わない。
昂君は鳴海を睨み付ける。
「昂君…?」
グイッ―
鳴海が私を引き寄せるけど、私は足を踏ん張る。
「昂君さ、俺の事そんなに嫌いですか?」
鳴海がクールな顔を更に冷ややかに昂君を見る。
「何の話だよ?」
「俺が、コイツの事特別なの知ってコイツに目ぇ付けたんだろ?」
え?
鳴海は続ける。
「ろくに話した事ねぇのに葉月に執着する意味が見つからない。アンタ葉月と付き合ってからも女と遊びまくってるだろ?」
鳴海の口調が荒くなる。
嫌い?
特別?
遊びまくってる?
何の話?
「鳴海…違うんだ。」
「何が違うんだよ?!葉月を傷付けたら許さない。」