嘘ツキナ、恋ヲスル
沈黙…。
鳴海は視線を教室の出口から外さない。
「鳴海…?…」
すると突然、鳴海がしゃがみ込んでうなだれる…
と同時に、しゃがみ込みながらスルスルと立ったままの私の腕を伝って指を絡めてきた。
「あ〜…さすがにダメージでかいわ…。」
そりゃそうだ。
嫌われてると思いきや、真逆だったんだもん。
でも私だってかなりのダメージだよ。
とゆうか、ビックリ…。
本当に性別なんて関係なく、人を好きになれる事があるなんて。
「だ…大丈夫…?」
かける言葉がみつからない。
「なんか俺カッコわりぃ。」
「そんな事ないよ…。」
少なくとも鳴海は悪くない。
ギュッ―
絡めた鳴海の指の力に、心まで締め付けられる。
「悪い。結局俺のせいでお前の事傷つけたな…。」
違うよ鳴海。
私、気が付いた事があるんだよ。
「今日の事は忘れろ。忘れてお前は次に進め。」
なんでそんな事言うの?
進むってドコに?
「私は…」
飲み込んだ言葉は…やっぱり言えない。