嘘ツキナ、恋ヲスル
ポケットに両手を入れたまま、近付いてきて私の顔を除き込む。
目の前に鳴海の顔があって…
緊張と恥ずかしさで私、きっと顔が真っ赤だよ。
「何?」
「鳴海は…、この前私の事傷付けたら許さないって言ってくれたよね?」
「…ああ。」
鳴海の顔がが私の視界から消えた。
姿勢を正した鳴海の表情は、私ぢゃ見上げなきゃ見えない。
「あれは、どうゆう意味なの…?」
真っ直ぐに鳴海を見つめる。
鳴海は一瞬こっちを見たけどすぐに視線を反らした。
何か答えて鳴海…。
鳴海の体がさっきよりももっと近付いて、私の髪に触ったと思ったら…
すごくやさしく唇を重ねてきた。
前の時とは違って…すごくやさしいキス。
そんな思いに浸る暇もなく、鳴海が離れてしまった。
「今更だよな…。」