嘘ツキナ、恋ヲスル


教室の入り口に立っていたのは…


「鳴海…。」



「よぉ。」


鳴海はぶっきらぼうに窓際の自分の席に鞄を置いた。



やだな。


鳴海と二人っきりはなんか嫌。




「何で制服なの?部活始まってるけど?」



私は校庭を指差した。



「体調不良で今日は休み。」



え?どこが?



「ただのサボリぢゃん。なんでこんな鳴海がレギュラーなのかな?」



「うるせぇよ。」




そう言いながら鳴海が窓にもたれかかる私に近付いた。



「葉月はあんなんのドコがいいんだか。」



今度は鳴海が校庭を指差した。校庭というか…昂君を。



「チャ…チャラチャラした鳴海よりよっぽどカッコイイもん!」




「ふ〜ん。」



鳴海は無表情のまま、私のすぐ後ろにある両サイドの窓の淵に手を置いた。




何?



顔を上げた瞬間、ものすごい近くに鳴海の顔があって、目が合った…



ガタンッ―









< 5 / 66 >

この作品をシェア

pagetop