嘘ツキナ、恋ヲスル
え―…?
「鳴海?」
鳴海はカバンを手に取った。
「今更俺らがどーにかなるなんて…ありえねぇよ。仲間だもんな。」
鳴海が教室の出口に向かう。
私は顔を上げられない。
鳴海を目で追う事も出来ない。
やっと気が付いたのに。
私が昂君を気になってたのは、一緒に居る鳴海をいつも見てたから。
鳴海のキスを忘れられないのは、忘れたくなかったから。
この前のキスを拒めなかったのは、鳴海の熱が欲しかったから。
全部鳴海が…
好きだから。
もうやっぱり今更なの?
鳴海は私の事女として見てくれないの?
それとも最初から好きなんて気持ち少しもなかった?