嘘ツキナ、恋ヲスル
「はぁっ…なんで泣くんだよ。」
鳴海はしゃがんだまま頭をかいた。
困った時に頭をかくのがクセだね。
「鳴海が好きだから…。」
そう答えた。
「…なぁ…俺、後悔してんだ、あの約束のこと。」
「後悔…?」
鳴海は、ゆっくり立ち上がる。
「あの約束のせいで、お前に正直になれなかった。」
どうゆうこと?
分からなくてもどかしい。
この鳴海との距離も。
「あの時は絶対誰かに本気になる事なんてないと思ってた…。」
私の目をなかなか見ようとしない鳴海を、私は必死に見つめる。
「でも、あの夏…お前に触れた時…自分でも訳分かんない衝動にかられたよ。初めて女にもっと触れたいって思った。」
「なる…っ。」
「…でも。」
私の言葉を遮りながら、鳴海は一人で話を進めてしまう。
「…その時にはもう遅かったんだな。俺らにはずっと仲間って言葉があって…お前はそれを優先したんだ。」
「あ…」
私が拒んだ。
「焦ったよ。俺、今ふられたって…。でもカッコ悪いから嘘ついた。」
"誰とでも…"
「ぢゃ…あ…友達なんて思ってないって言ったのは…?」
「それはホント。友達ぢゃねぇ…俺は葉月を女としてしか見てねぇって事だよ。」
「だからいつも…我慢出来なくて…勝手に体が動く…」