嘘ツキナ、恋ヲスル
グイッ―
さっきまで、向かい合って座ってたはずの私達は、鳴海が強引に掴んだ私の腕と一緒にぴったり密着してしまった。
「え?ちょっと…な、鳴海っ…!」
椅子に座る鳴海の腕と足に囲われた私は身動きが取れなかった。
「黙れ。」
鳴海の顔が…ちょうど私の胸の辺りにあって、ドキドキが聞こえちゃうんじゃないかって…
すると鳴海が急に顔を上げた。
「ん…っ!?」
頭を掴まれて、かなり強引なキス。
「ん〜ッ!…ちょッ…!」
顔を背けても、またすぐに引き戻されて唇が重なる。
どうしたの鳴海…なんで?
鳴海の表情も見えないくらい顔が近くて、とにかく鳴海の熱から逃げるのに必死だった。
「っ?!…鳴海!やめ…て…ウチら友達でしょ!?」
いつもの鳴海ぢゃない…、怖くて怖くて…そんなのおかまいなしに鳴海の唇が首筋に渡る。
そして私は、怖いと同時に頭をよぎった疑問を鳴海にぶつけてしまった。
「っ…鳴海は…私の事好き…なのっ…?」