嘘ツキナ、恋ヲスル
動きを止めた鳴海はゆっくり顔を上げた。
「あのさ……」
ポーカーフェイスの鳴海の顔が、一瞬歪んだ。ありえない。ありえなすぎる。
「痛…っ!な、鳴海…?」
沈黙と、"グッ―"と握られた手首が痛い。
「男を知らない葉月に教えてやるよ。」
鳴海はいつもの様にクールな顔をして言った。
「男は誰とでもこーゆー事出来んの。ちなみに俺はお前を友達だなんて思ってねぇよ。」
は?
何それ。
ナンダソレ!
パンッ―
「最っ低!」
ほっぺをひっぱたたいたのに、それでも鳴海は顔色を変えない。
ムカツク!
「言っとくけど、別に鳴海とのキスなんて大した事ないんだから!」
「ふーん。」
「忘れる!鳴海も忘れて!なかった事にする!」
鳴海から離れた私はく勢いで叫びまくった。
「それから!私は鳴海と友達でいるから!ウチら5人の関係崩したくないの!だからもう二度とこんな事しないで…!」
「分かったよ…」
お手上げポーズを取った鳴海は少し微笑んだ。
イヤ、悲しい笑顔?
イヤ、バカにした笑顔?