憑代の柩
「いや、まあ、貴方の相棒の方だって、死んだとは限らないじゃないですか。

 何処かに身を隠しているだけかもしれませんよ。

 それより、貴方がおかしいと感じたのは、ただの勘ですか?

 何か気になることがあって、それを無意識のうちに、ヤバイものとして、察知したとか言うわけじゃないんですか?」

「いや、まあ。
 無意識なんでわかりません」
と情けないことを言う。

 まあ、そうか、と思いながら、頬杖をついて、外を見た。

 人の行き交う歩道を見ながら、

「あ、醤油買いに行くんだった」
と呟く。

「私、この辺詳しくないんですけど。

 此処らで美味しいお醤油って、なんですか?」

「おうち、この辺じゃなかったんですか?」

「どうなんでしょう?

 見に行ったことないんですけど」
と言いながら、立ち上がる。

「え?」
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