憑代の柩
そっくりですもんね。
この間、目が合ったときから、そんな気はしてました、と力なく言った。
「私の首を絞めている張本人のお住まいなわけですよね、此処」
「住んでない。
此処には居ないから」
「どうしてです?」
入院してるんだ、と言い、衛は上着をソファに投げた。
「そうなんですか」
何故入院しているのかとか訊いても悪いかと思い、訊かなかった。
だが、あのとき、衛が見舞いに来たと言ったのは、母親のことだったのかな、と思う。
「でも、此処に想いは残っていますよね」
首を絞めているのが、衛の母なら、彼女は、自分の滞在を快く思わないだろう、と思った。
じゃあ、やっぱり― と言葉を繋ぐ。
「お母様は、あづささんの首を絞めてるんですかね?」
「どうして?」
いやあ、と己れで言っておいて、首を捻る。
この間、目が合ったときから、そんな気はしてました、と力なく言った。
「私の首を絞めている張本人のお住まいなわけですよね、此処」
「住んでない。
此処には居ないから」
「どうしてです?」
入院してるんだ、と言い、衛は上着をソファに投げた。
「そうなんですか」
何故入院しているのかとか訊いても悪いかと思い、訊かなかった。
だが、あのとき、衛が見舞いに来たと言ったのは、母親のことだったのかな、と思う。
「でも、此処に想いは残っていますよね」
首を絞めているのが、衛の母なら、彼女は、自分の滞在を快く思わないだろう、と思った。
じゃあ、やっぱり― と言葉を繋ぐ。
「お母様は、あづささんの首を絞めてるんですかね?」
「どうして?」
いやあ、と己れで言っておいて、首を捻る。