憑代の柩

 


 あの日――

 歩いて帰ればよかった。

 雨だったから、要の車に乗せてもらった。

 あの日、やっぱり歩いて帰ればよかった。

 いや、でも、どうだろう。

 あのときには、もう、お金は振り込まれていたしな、と思う。
 
 




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