憑代の柩
「さっきから、外をチョロチョロしているサラリーマンにはわかっているのか?」

「チョロチョロって……貴方がガードに付けてるんですよね?」

 衛の視線を追い、外を見た。

 ガラス張りのファミレスの店内が少し窺える。

 ふっと細く息を吐き、衛はこちらを見た。

「ところで、警察から新しい情報がある」

「兼平さんですか?」

「いや。
 あいつは別の事件をやりながら、単独行動で、余計なことをしては叱られているようだ」

「へえ。
 警察とコミュニケーション取ってたんですか」

と言うと、コミュニケーションってのも変だろ、と上目遣いにこちらを見る。

 ま、普通、向こうが一方的にコミュニケーションとってるくよな、頼まなくとも。

 衛は携帯を開き、

「ネットに公開されてたのをたまたま見つけた人間が居たらしい」

 そう言いながら、こちらに投げて寄越した。

 そこにあった動画を再生してみる。
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