嘘の恋愛進行中【完】
「別行動ってことで、プールに入る時は俺と一緒」
どこから持ってきたのか分からない
大きな浮き輪を手にした望月慧
「行くぞ」
そう言って流れるプールの近くまで歩いていく
私は急いでパーカーを脱ぎ
その後を追っていく
「入るぞ」
チャポンと静かにプールの中に入る望月慧
「えっ⁉︎ちょっ…⁈」
「早くしろ
それとも入れねーの?」
っ…
「ほら、俺がいるから。
ゆっくり入れ」
大きく手を広げて
優しく笑う望月
その笑顔にドキッとしてしまう
ゆっくり足を水の中に入れていき
腰には望月慧の腕
それに抱かれてやっとの思いで
全身が浸かった
「ほら」
浮き輪を私に貸してくれて
私は浮き輪の中に入る
「それじゃあ行くぞ」
ゆっくりと流れ始めた私たち
水の流れがゆっくりだから怖くない