嘘の恋愛進行中【完】




「別行動ってことで、プールに入る時は俺と一緒」


どこから持ってきたのか分からない

大きな浮き輪を手にした望月慧




「行くぞ」



そう言って流れるプールの近くまで歩いていく


私は急いでパーカーを脱ぎ

その後を追っていく



「入るぞ」



チャポンと静かにプールの中に入る望月慧



「えっ⁉︎ちょっ…⁈」



「早くしろ
それとも入れねーの?」



っ…



「ほら、俺がいるから。
ゆっくり入れ」


大きく手を広げて


優しく笑う望月





その笑顔にドキッとしてしまう




ゆっくり足を水の中に入れていき



腰には望月慧の腕



それに抱かれてやっとの思いで

全身が浸かった



「ほら」



浮き輪を私に貸してくれて

私は浮き輪の中に入る




「それじゃあ行くぞ」



ゆっくりと流れ始めた私たち



水の流れがゆっくりだから怖くない



< 42 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop