嘘の恋愛進行中【完】
バシャっ!
⁉︎
「こいつ、俺の女なんだけど?」
グイッ
「ってめぇー…」
ポトポトと頭から水が滴っている男の人
さっきまで濡れてなんてなかったのに?
「何?文句あんの?
ここさ、俺の叔父さんが経営してる施設なんだよね?
この意味分かる?」
そっと声の聞こえる方を見る
「慧くん」
私が声をかけると
さっきまでのドス黒い声とは裏腹に
「すぐ終わるから」
という優しい声が聞こえた
「はぁ?んなの分かるわけねーだろ?」
半ば半ギレの男たち
「分からないかー
だったら仕方ないね
一生ここには来れなくしてやんよ?」
「ひっ!…」
いつもの望月慧とは全く違うオーラが放たれる
それに気づいた男は
「っち、覚えてろよ」
と捨てゼリフを言って、どこかに行ってしまった
「あーあ。せっかく亜樹に買ってきたジュースが、なくなっちゃった」
ごめんね?
と付け足して言う望月慧
「ううん。助けに来てくれてありがとう」
「怖くなかった?」
「うん」
「良かった…///」