嘘の恋愛進行中【完】
ライバル
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次の日
私と望月慧が一緒に登校していると
「おはよう、鷹森さん!」
と後ろから誰かに声をかけられた
振り向くと
速水楓が笑顔で立っていた
「昨日見かけて思ったんですけど、2人って付き合ってるんですか?」
小ささを存分に活かした、上目遣い
「そうだけど?」
望月慧は嫌な顔一つせずに、笑顔で応える
「やっぱりー⁈
学校まで一緒に行っても良いですか?」
なんて言われて
嫌いだからといって、断るわけにはいかない
「ゴメン。俺は亜樹と“2人”で行きたいから、ここは遠慮してもらえるかな?」
なんてサラッと言ってしまった
ああ思っていたのは、私だけだったみたい
もちろん私も望月慧と2人が良かったし
望月慧がそう言ってくれて、嬉しかった