嘘の恋愛進行中【完】
「行くよ」
望月慧は私の手を握って歩き出した
少ししたところで、望月慧は速水楓がいないことを確認し
「あの子は気おつけたほうがいい」
と言ってくれた
もちろん私だってそのつもりだった
「うん。なんだか私、速水さんのこと苦手…」
「ぽいなww
亜樹は実際サバサバしてるとこあるし、ああやって男受け狙ってるやつは、好まなさそう」
あははっ
と笑う望月慧だけど、まさしく私が思っていることを的中させた
「なんだか裏がありそうだし、何かあったらすぐに俺に言うんだぞ?」
「ありがと」
望月慧はいつも私のことを心配してくれる
今だって、すごい笑顔でそう言ってくれている
そんな彼に心配なんてかけたくない
そう思っていたから
私は何があっても
彼だけには何も言わなかった